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葬祭ディレクターのブログ

新人髙橋の葬祭ディレクターへの道#7

投稿日:2020年8月4日
スタッフのつぶやき

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お世話様でございます。エヴァホール大海の髙橋です。

最近はすっかり暑くなってきて半袖の作業着が手放せなくなったと思えば、急に大雨や雷など天候に振り回される時期にもなりました。

私たちのお仕事をしていると、世間より早くある時期がやってきます。その時期とは・・・そう!お盆です!!

正確にはお盆の期間は世間的な時期と一緒ではあるのですが、お盆前から、初盆の方へ贈り物のご案内をしていったり、シルクウェイ大海の店舗をお盆用に品物の出し入れをしたり・・・そうした準備をしている関係でどうもお盆の時期を早めに感じてしまうのかもしてませんね。

 

そんなわけで今回はお盆についてお話していきたいと思います。

お盆とは

「お盆」は、正式には「盂蘭盆会」と言い、故人や先祖の霊が、一年に一度、家に帰ってくる期間で、その霊を迎えて供養する習わしです。

東京都や神奈川県などでは七月十三日から十五日、そのほかの地方では八月十三日から十五日というのが一般的です。これは、以前の旧暦で行われていた七月十五日前後が、新暦では農繁期と重なるため、月遅れの八月十五日を中心に行うことが多くなったため。それが、「旧盆」とか「月遅れ盆」と言われる所以です。

最近、特に勤め人にとっては、ともすれば夏休みと同義に考えられたりもしますが、故人や先祖に想いを馳せ、供養する心で穏やかな時を過ごす数日間は、とても意義深いもののはず。古くからのしきたりや習わしを理解したうえで、今の住宅事情などに即した「お盆」を考えてみてはいかがでしょうか。

 

迎え火と送り火

京都の夏の風物詩の一つに、俗に「大文字焼き」とも呼ばれる「五山送り火」があります。これは、「お盆」の間、家に帰ってきていた「お精霊さん」と呼ばれる故人や先祖の霊を、現世から再びあの世へと送り出す行事。こうした山肌に描いた文字形に点火する行事は、灯籠流しと同様に、日本各地にみられます。

この「送り火」という習わしは、故人や先祖の霊を家に迎えるために行う「迎え火」と共に、一般の家庭でも行われてきました。

まずは、八月十三日(七月十三日)の夕方、家の門口や玄関で、焙烙という素焼きのお皿の上で苧殻を焚いて先祖の霊を迎え、十五日の夕方にも同様にして送り出すわけです。

苧殻とは、別名で麻幹とも呼ばれ、麻の皮を剥いだ茎の部分。清浄な植物とされる麻を燃やすことで、清浄な空間を作りだすという意味を込めたのでしょう。

また、地域によっては、八月十三日の夕刻、先祖のお墓がある墓地や菩提寺まで、ほぼ家族総出で家紋入りの提灯を持って墓参りに行き、帰路は提灯に明かりをつけて帰り、その火を仏壇に点灯。十五日(十六日)の夕刻には、逆に、墓まで提灯を点灯して出向き、墓参りをして送り火とするという習わしもあるようです。

しかし、いずれにしても、現代の住宅事情では、この直火を扱う習わしには無理があると言えるでしょう。そこで、次第に「盆提灯」へと姿を変え、光源も、直火ではなく、電気になっていったと考えられます。

 

盆提灯などお盆の準備を

その「盆提灯」は、玄関先や、「お盆」用の祭壇を組んだ座敷の軒先などに吊るしますが、「置き提灯(行灯)」を祭壇の脇に一対で置くことも多いようです。

「盆棚」は、お仏壇の中では狭く、たくさんのお供えや十分な供養ができないため、座敷の床の間などに「お盆」の期間だけ

設えるもの。床の間が無理な場合は、略式として、お仏壇の前に小机や板を利用した二段程度の段を設けて打敷を掛け、お供え物を供えるのもいいでしょう。

また、この「盆棚」には、きゅうりと茄子に割りばしや楊枝などで四本の足をつけた「精霊馬」を飾るという習わしがあります。これは、きゅうりを馬に、茄子を牛に見立てたもの。つまり、ご先祖様を迎える際は足の速い馬、送る際には足が遅くて供物をたくさん積める牛を利用していただこうという意味です。

 

お盆の過ごし方

月遅れの場合、「迎え火」を焚く「迎え盆」が十三日、「盆の中日」が十四日、そして「送り火」を焚く「送り盆」が十五日となります。(十六日を「送り盆」とする地域もあります。)もちろん、それまでにお墓の掃除や草むしり、お仏壇の掃除、仏具の手入れ、お線香などの消耗品の補充などをしておきたいものです。

その上で、「迎え盆」の十三日には、「盆棚」の飾りつけを済ませた後、お墓参りに出かけます。そして、夕方、周囲が暗くなり始めたら、「盆棚」に迎え団子や供物を供え、「迎え火」を焚いてご先祖様をお迎えした後、「盆棚」の前に家族が揃い、お看経をお勤めします。

十四日と十五日は、朝、昼、晩の三度、「霊供膳」や「お仏飯」、「お茶湯」をお供えしますが、ご先祖様と

一緒に過ごすという心持ちで、献立もご馳走で供養したいものです。「盆提灯」は、一日中点灯して起き、「盆棚」の前で看経をお勤めします。

なお、菩提寺のご住職を招いての「棚経」は、この三日間にお願いするのが本来ですが、都合によっては八月初旬となる場合も多いようです。

そして、十五日(十六日)の夕方には、改めて「盆棚」や「水棚」に供物を供え、お看経をお勤めしながら「送り火」を焚き、ご先祖様をお送りします。

 

「初盆」の場合は念入りに

故人の四十九日を終えて、初めて迎える「お盆」が「初盆(新盆)」です。心情的にもそうであるように、特に念入りに供養して差し上げるとされています。地域によっては、親戚や親しかった知人などを招いて、法要を執り行う場合もあるようです。

かつては、「初盆」を迎えた家では、「盆提灯」は親戚や個人と親しかった方が贈るという習わしがあったそうです。つまり、その数によって故人の人柄が偲ばれたもの。ところが、昨今は住宅事情から吊るす数も限られるため、「御仏前」ということで現金を贈り、その中から、家族で必要な数を揃えるということもあるようです。

 

では、今回は直前になってしまいましたがお盆のお話を書かせていただきました。ここまでお付き合いくださいまして有難うございました。また次回の更新で!

 

※「お盆」の日程や習わしは、地域や宗派によって違いがあり、ここにご紹介した内容は、あくまでも一例です。詳しくは、各御寺院にご確認いただくか、エヴァホールのスタッフまでお問い合わせください。